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観光+医療→外国人誘客 東照宮 独協医大 共同で学会発足=栃木 2010.09.03 読売新聞 観光と医療をセットにして外国人旅行者を呼び込む「医療ツーリズム」の広がりを受け、独協医科大(壬生町)が、 観光客誘致に力を入れる日光東照宮(日光市)=写真=と共同で、社団法人「国際観光医療学会」を発足させる。 観光と医療の相乗効果で一層の誘客や、経営が厳しい地域医療機関の立て直しにも効果が期待できそう。 一方、地元住民の診療とのバランスが求められ、受け入れ態勢など運営基準の構築が急務と言えそうだ。 全国の観光地にある大学や医療機関、観光施設に参加を呼びかけ、患者とのトラブル防止、地域医療との両立、観光施設との連携などについて議論する。 医療体制を整備することで外国人観光客をさらに呼び込もうという狙いもある。 10月9日に日光市内で開かれる設立総会には、複数の大学や病院が参加する予定だ。 世界遺産の東照宮などを擁する日光市には、年間約6万人の外国人宿泊客が訪れる 。同大は4月、日光医療センターに全国でも珍しい「観光医療科」を新設。 鬼怒川温泉のホテルと提携、国内外の観光客を対象に宿泊と人間ドックをセットにした医療サービスを始めた。 中国人看護師を常駐させているほか、7月には、帰国後のケアのため上海の大学病院と連携協定を結んだ。 これまでに中国人2人がドックを受診。中国や韓国の旅行会社からは「10人まとめて受け入れられるか」などの問い合わせが相次いでいるという。 中国などアジア諸国では人間ドックや健康診断などの検査は一般的ではなく、日本での受診を希望する外国人観光客が後を絶たない。 政府は6月に閣議決定した「新成長戦略」で、外国人向けに医療滞在ビザを作る方針を示した。 だが、医師不足、通訳の設置、帰国後のケアなど課題は多い。 ドックが検査だけと知らず、治療を迫る外国人もいるなど混乱も生じている。 同大日光医療センターの中元隆明院長は「外国人とは言葉も文化も違うので、トラブルも起きかねない。 各地の医療機関が学会でそれぞれの取り組みを報告し、情報交換していきたい」と話す。 日光東照宮も、日本の高度な医療を外国人観光客らにPRし、誘客につなげたいとしている。 ◆地域診療との両立がカギ(解説) 国際観光医療学会の前途には、課題が山積している。県内で外国人受け入れを本格化させる同医大日光医療センター(199床)は日光市の中核病院。同センターは「地元住民が第一」と明言するが、海外富裕層を狙った医療と「両立できるのか」との懸念の声もある。 全国で外国人受け入れが広まる背景には、不採算とされる地域医療の病院経営の難しさがある。 同センターも「設備投資を除いてもまだ赤字」と経営は厳しいが、人間ドックは保険が適用されない自由診療(全額自己負担)で、収益が見込める。 一方、言葉や文化の違いによるトラブルも予想される。 円滑な運営法を考えようと同医大は学会を設立。寺野彰・同医大学長が理事長を務め、日光東照宮の稲葉久雄宮司も監事に入った。稲葉宮司は「日光により多くの外国人が来てくれれば」と全面協力する考えだ。 だが、「収益性を重視して外国人優先にならないか」(医療関係者)との声もあり、同センターは独自の自主規制も検討中だ。 人間ドックの受診者はホテルに泊まるため入院ベッドは使わず、治療も行わない。 受け入れは「日本人旅行者も含めて1か月10人程度が限度だろう」と中元院長は話している。(瀬畠義孝) |