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神戸中央市民病院移転新築 PFI,戦艦大和の出撃にもならないのではないか?将来負担債務比率が基準を超えればいきなり早期健全化適用対象となろう。
また数値目標22年度までに確実に達成できうる改革プランでなければ起債不可である。豪華病院のようであるから公的資金の導入を当てにしないくらい神戸市の財政は豊かなのであろう』

<激論 ひょうごの医療を問う>神戸中央市民病院移転問題 移転・新築への賛否 病床減で救急はどうなる 都市部公立病院のあり方
2008.02.13神戸新聞  
神戸中央市民病院移転問題

移転・新築への賛否 病床減で救急はどうなる 都市部公立病院のあり方
 神戸市は、中央区の市立医療センター中央市民病院を移転・新築し、二〇一一年春に新病院を開設する。しかし、大幅な病床減が計画され、神戸市医師会や兵庫県保険医協会は、救急や診療への影響などを指摘、反対する。同病院は、市外の患者も少なくなく、県内救急の最後のとりでともされる。計画をめぐる論点について、四人に聞いた。(聞き手・網 麻子、松本寿美子)


行政から 神戸市病院経営管理部長 宮田克行さん 高度医療をより充実
 移転は医療産業都市構想のためではない。公立病院の一番の役割である救急と、大型の機器が要るような高度医療をより充実させるためだ。

 現病院は築二十七年。建物は使えるが電気や配管類などの設備が劣化している。現地改修は、新しい医療設備を設置する大改修ができる構造でない上、診療と並行した工事は長くかかるため困難。利用者の利便性などを総合的に判断した。

 医療産業都市に場所を選んだのは、まず市街地では土地の確保が難しかったから。救急車で一分余り遠くなるが、新病院は院内の移動がよりスムーズにでき、処置までの時間を短縮できる。

 医療産業都市へ移る利点は大きい。臓器移植やがん治療など高度医療や保険適用外の先端医療に特化する周辺の高度専門病院で、患者の容体が悪化した際に受け入れられる。一方で、先端医療が保険適用になった時点で市民がいち早く受けられる中核施設となる。

 病床減による影響も心配されているが、医療の進歩で入院日数は短くなっている。六年前の予測では、当時の平均十九・三日から開院後は十四日となる見込み。とはいえ近年の医療崩壊で市外からも救急搬送が増えている。今後の状況次第で病床を増やせるよう柔軟な設計にしておく。

 PFIはあくまで売店経営など医療以外を民間に委託する効率化。医療は従来通り市が担う。


みやた・かつゆき 大阪大法学部卒。1977年入庁、市道路公社常務理事を経て、06年から現職。石川県出身、53歳。


現場の医師から 中央市民病院副院長 石原享介さん 救急の体制、死守する


 大幅な病床減は市の高度な政治判断で決まった。現場に危ぐや不安はあるが、救急はどんなことがあっても責任を持ってやり抜く。

 救急患者受け入れは年間四万人。毎日、救急専門医をはじめ内科、外科、脳神経外科など各診療科の専門医計十五人程度が宿直し、初期医療から入院や救命処置が必要な患者まで診る。病院を挙げて取り組んでいる。三十五年間営々と築き上げた、日本でトップクラスの体制だ。市の宝で、病院の柱でもある。病床減でもできるだけ医師は減らさず、十五人規模の宿直をはじめ現体制を死守したい。

 そのためには、知恵を出さないといけない。患者の在院日数の短縮も重要な問題になる。市民、ほかの病院や診療所、長期入院患者向けの療養型施設にも協力をお願いしたい。整形外科の治療機能の一部を西市民病院に移すのも、その一環と考えている。

 病院はいずれ建て替えが必要。医療産業都市への移転は市の高度な政策決定で成功させるため協力するが、先端医療に特化するなんてありえない。周囲に計画される専門病院群とは、高度医療が必要な患者を診てもらうなど連携し、市民医療に専念する。

 中央市民は、救急や高度医療、急性期から慢性期までの標準医療の核にならなければならない。救急や小児科、産科など不採算部門を担う必要もある。地域の医療機関と役割分担しながらやっていきたい。


いしはら・きょうすけ 大阪市大医学部卒。西市民病院副院長を経て05年から現職。大阪府出身、59歳。


地元医師会から 神戸市医師会会長 川島龍一さん 計画は標準医療軽視


 神戸市医師会は移転に反対だ。なぜ本土でなく、先端医療センターの隣なのか。新病院は医療産業都市構想の核とされ、周りには臓器移植などの高度専門病院が立ち並ぶ計画になっている。全面的に保険外と保険を併用する「混合診療」と、株式会社による病院経営ができるスーパー特区も再び検討されている。多額の税金をつぎ込む市民病院が、先端の移植・再生医療の拠点となり、アラブの王様ら一部の裕福な人のための拠点になる恐れがある。

 先端医療や高度医療に目を向けている上、病床を三割も減らせば、現在の救急医療は守れない。救急処置後に患者を移す病床が減れば、受け入れ能力は大幅ダウンする。入院期間が長い糖尿病や整形外科の治療機能を他病院に移すのは、標準医療の切り捨てになる。

 さらに新病院はほぼすべての住民から遠くなる。わずかの時間が生死や後遺症の程度を分ける救急を考えると、皆が不利益をこうむる。南海・東南海地震で津波被害の可能性もある。阪神・淡路大震災時、人工島の橋が壊れ、医療拠点として機能しなかった愚を繰り返すのか。遺伝子治療に必要なウイルスが、周囲の研究棟から漏れ出すバイオハザードの危険性もある。

 公立病院は、救急や小児科、産科など不採算部門を担い、標準医療を提供する必要がある。医療崩壊が進む中、その役割は一層増している。市民が求める病院へ計画を見直すべきだ。


かわしま・りゅういち 神戸大医学部卒。甲南病院外科医長を経て 神戸市で開業。日本医師会理事。同市出身、64歳。


元勤務医から 高塚クリニック院長 高塚勝哉さん 行政の「見切り発車」


 移転は反対だ。何のためか分からない。老朽化しているというが、巨額を投じた病院がなぜわずか三十年で移転なのか。リフォームで十分使えるはずだ。

 病院は極めて公共性が高いのに、建物代も独立採算制で償還しなければならない。中央市民の医師は当直に入ると実質三十二時間以上働いており、夜間は救急が多く仮眠も取れない。しかし賃金は安く、対価になっていない。それだけ身を粉にしても病院は慢性赤字だ。それなのに建て替えれば負債がさらに膨らむ。

 病床数減は予算抑制策ではないか。新病院では糖尿病の診療科や整形外科を西市民病院へ、認知症やパーキンソン病など脳の神経難病を扱う神経内科を西神戸医療センターへ一部移そうという案もある。治療が長期に及ぶ症状は外そうという考えだ。

 救急の質を保てるかも疑問だ。中央市民は救急専門医に加え、各診療科の専門医も泊まっている。縮小に伴い医師数も減らされれば、その手厚い体制が崩れてしまう。

 また、縮小が検討される脳の神経難病は、今後の移植・再生医療の進歩で劇的に発展する部門。医療産業都市構想の中核施設になろうとするのなら、なぜ縮小するという発想が出てくるのか。

 医療をよく知らない行政が主導で計画を進め、何に重点を置くべきなのか、十分に見通していないのではないか。


たかつか・かつや 和歌山県立医大卒。2000年春まで中央市民病院神経内科医長。神戸市灘区で開業。岡山県出身。


<新病院の基本構想>

 移転先は現在の約1.3キロ南。市の医療産業都市構想が進むポートアイランド2期で、再生・移植医療の研究拠点・先端医療センター隣の約4.5ヘクタール。総事業費約480億円。現在の病床912床を640床に減らし、病院の設計施工のほか医療行為を除く運営事業を民間事業者に委託するPFI方式を採用した。


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