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『整理・統合が重要に, 武弘道・川崎市病院事業管理者』
2008.02.24 共同通信
公立病院の経営は年々悪化し、二〇〇六年度決算の実質赤字額は七千億円を超えた。
「親方日の丸で倒れることはない」という時代は終わった。
病院ごとの経営改善も必要だが、本質的には全国で約千を数える公立病院の整理・統合が重要だ。
公立病院の開設は昭和二十年代から三十年代に集中した。
当時の高度医療は公立に頼るしかなく、道路網も未発達な中で、自治体ごとに病院を持つ意味があった。
その後、民間病院が数、質ともに力をつけ、患者は隣町や遠方に車で通院するようになったが、公立病院の数は減らなかった。
沖縄や北海道などのへき地医療や小児科、救急といった不採算部門は今後も公立病院が担う必要がある。
しかし、それ以外では、長年続けてきた非効率的な在り方を変えなくてはいけない。
公立病院の外来、入院患者は毎年減少している。
一方で、産科、小児科の医師不足が問題だが、その原因は当直などの過重労働。病院を統合して医師を集約すれば、負担も軽減できる.
平成の市町村大合併の際に病院の合併も進めなかったのは総務省の失策だ。足を引っ張る首長や議員も多いが、このままでは総倒れになる。住民も、一般会計から補てんしてもなお赤字という現状を知る必要がある。
公立病院の経営内容は民間病院よりも悪い。
その原因の一つは、経営責任がはっきりしないことだ。
役所から出向してきて二、三年で交代する健康福祉部長などに現場は見えない。
首長からすべての権限を委譲される病院事業管理者を置いて、責任の所在を明確にする必要がある。
私は鹿児島市、埼玉県、川崎市で病院事業管理者として公立病院の経営改善に取り組んできた。
埼玉県では四年間で七十四億円の改善、川崎市でも十億−十五億円の赤字から二年連続七億円台の黒字に転換した。
経営改善のポイントは職員の意識改革。具体的には病院経営に携わる副院長に看護師を置いた。
専門分野しか知らない医師と違い、看護師は多くの診療科を回るので、病院全体を把握できる。
職員の六割を占める看護師が病院を良くしようと動くことで全体の意識が変わり、皆が知恵を出すようになる。
例えば、埼玉県では入院時に診療科ごとの縦割りを排除したことで空きベッドが有効利用され、病床利用率が7%上昇した。
医療の質を下げるのではなく、経営を効率化することは患者にとってもよい医療の提供につながる。
  
たけ・ひろみち 37年鹿児島県生まれ。小児科医。鹿児島市、埼玉県の病院事業管理者を経て、05年から現職。
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