![]() 福祉医療機構 事業仕分けで参考にした 関係省庁・審議会の意見 (厚労省の考え) 医療制度改革、あるいは診療報酬のマイナス改定という中で、経営環境が厳しくなってきておる中で、効率的な医療提供体制の構築ということで・・・ 療養病床、あるいは老人保健施設、あるいは近代化整備、あるいはIT化推進というのには、私ども、どうしても必要なものだと思っておるわけでございます。・・・ 財政制度等審議会・財政投融資分科会・平成14年10月22日 〔本間分科会長〕、・・・社会福祉・医療事業団関係についてヒアリングをさせていただきたいと思います。申しわけございませんが、時間が押しておりますので、できるだけ説明をコンパクトにして、質疑の時間を取りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 〔河村・厚生労働省社会・援護局長〕 厚生労働省の社会・援護局長の河村と申します。 よろしくお願いします。時間がないようでございますので、端的に、資料に沿いまして3点ほどご説明させていただきます。 前回の委員会でご指摘のありました3点でございますが、 1つは、社会福祉・医療事業団からの融資割合は、これは医療貸付でございますけれども、基準建設費の8割となっているということである。 本来、民間金融機関で融資可能な部分を圧迫しているのではないかというご指摘でございますが、そのご説明をさせていただきますが 病院につきましては、民間金融機関との協調融資というものを、当然前提にしておるわけでございますが、現実の問題としましては、やはり医療機関の特性を踏まえた専門的な判断による融資と、専門的な審査というものをきちっとした上で、民間金融機関が融資を決定するという仕組みになってございます。 Aでございますが、事業団融資は、標準的経費の8割以内を基本的な融資額としておるわけでございますが、限度額の関係がございまして、総事業費ベース、実際のところ、建築資金につきましては6割強を政策融資をしておるというのが実態でございます。 もっと正確に申しますと63%ということでございます。 このような中で融資割合を引下げた場合の問題点といたしまして、 1つは、政策融資をしておるわけでございますが、具体的には、長期療養にふさわしい療養病床への転換を促進しておる。 あるいは、介護老人保健施設の整備を促進しておる。 あるいは、病床減を要件といたしまして、2割カットすれば近代化施設整備の融資をするというような近代化融資をしておる。 あるいは、電子カルテの普及等、医療におけるIT化の促進。 そういった良質でかつ効率的な医療提供体制を構築していくという、医療提供体制の改革の基本方向に沿った国の医療政策の推進に必要な資金手当というものが要るのではないかと考えております。 それから、Aでございますが、 民間金融機関の融資というのは、やはり変動金利。 経済情勢によって、融資条件が大きく変動するということでございまして、医療機関の経営にとって、やはりリスクを伴うということでございます。 それから、実際に借入の申込者から聞いておりますのは、融資決定後に、協調融資銀行などから、当初予定していた融資条件よりも悪い条件で融資を受けた。 特に近時の特徴だと思いますが、融資姿勢の後退を指摘する声をよく聞くわけでございます。 そういうようなことで、やはり必要な資金の確保というのが、どうしても必要だということで、融資割合の引下げは困難ではないかと。 あるいは、融資効果を損なうのではないかと思っておるわけでございます。 なお、「特殊法人等整理合理化計画」の指摘に沿いまして、民間でできるものは民間で極力やりなさいということでございまして、融資対象を絞ったり、あるいは融資条件を適正化したりしております。 短期資金については、民間金融機関において対応することが可能な既存の医療機関に係る機械購入資金、あるいは運転資金、そういったものを融資対象から外しております。 それから、長期資金につきまして、病床過剰地域について、その病床の減を伴わない整備については、優遇金利を廃止するというような措置を講じておるところでございます。 それから、2点目の問題点は、やはり、福祉施設の方でございますが、国等の補助金と財投を原資といたしまして、その施設整備のほとんどが賄われておる。 一方で、そういうことをやっておきながら、本当に融資者のサービス、適切なサービスの提供がなされておるのか。モラルハザードはないのか。 事業団においても、そのような観点からの融資判断を行う必要があるのではないかというご指摘でございますが、社会福祉法人につきましては、社会福祉事業を行うことを目的として特別に設立された法人でございますけれども、一方で、このように補助金なり融資ということで、国、地方公共団体から助成を受けることができる一方で、相当厳しい規制というものも同時に定められておるわけでございまして、運営面では、法令等によりまして、法人及び施設の種類ごとに運営基準というものを定めて、監査権限があります国及び地方公共団体が監査をする。運営基準に違反するような場合は、改善命令あるいは解散ということでございます。 それから、財産面の基準といたしましては、自己所有原則というものを持っております。 それから、法人が解散したときは、残余財産というのは、他の社会福祉法人、あるいは国に帰属するということで、個人のものにしてはならないということにしておるわけでございます。 そういう仕組みの中で、適切なサービスの実現のために監査を行ってきておるわけでございますが、平成12年の社会福祉事業法の大きな改正がございましたけれども、その中で法人の透明性の確保の観点から、情報開示を義務づけておりますし、それから、情報提供を促進しています。 それから、第三者評価と。サービスの質の向上のための第三者評価というものを制度化しておりますし、苦情解決の仕組みというものも、事業者段階及び各県段階、それぞれそういう制度化というものを図っておりまして、適切なサービスの提供というものに努めておるということでございます。 それから、そういうサービスの実現につきまして、国及び地方公共団体と社会福祉・医療事業団、一方では法人の審査、法人の認可、あるいは補助金の審査、あるいは事業団の方では融資の審査、これも並行審査と呼んでおりますが、密接に連携を保ちながら審査を進めておるということでございまして、事業団におきましても、地方公共団体との連携をとりながら、償還財源の有無だけではなくて、適切なサービスを実施することができるかどうかということを、総合的に審査をしておるというのが今の実情でございます。 これは、特に綾福祉グループ等の事件がございまして、審査面においては格段の強化を図ったということもございます。 それから、3点目でございます。財投機関債の増額は困難ということでございますけれども、期間の短い機関債を発行して、元金均等償還等にこたえればいいのではないかというご指摘でございますけれども、事業団の貸付は、 @に書いてございますように、施設整備に対する長期資金が契約額のうちの98%でございまして、そういう中で財投機関債によります発行コストの増加、あるいはキャッシュフローの乖離、満期一括償還と元金均等償還の貸付とのミスマッチというものがございますし、それから、財投機関債の発行年限というものは、今の市場環境では10年が限度ということでございます。 私どもといたしましては、短期資金見合いの財投機関債というものを現在発行しておるというのが実情でございます。 Aの財投機関債の調達コストが高い、これは釈迦に説法でございますので省略させていただきます。 それから、Bでございますが、短い期間の財投機関債を発行してつなぐということでございますが、やはり、現在の低金利の状況で、将来金利上昇局面になるという可能性が非常に大きいと。 やはり、大きな金利リスクを抱えることになるわけでございますけれども、そういったコストというのは、福祉にしても、医療にしても、収益性の低い借入先に負担させることはなかなか困難ということでございまして、そうすると事業団が負担するということになって、最終的には国の財政負担等の増加になるのではないかと思います。 それから、発行の都度、そういうコストが必要になることになって、そういうことも考えますと、やはり財政融資資金の方が望ましいのではないかというふうに思っておるところでございます。 以上でございます。 〔本間分科会長〕 ありがとうございます。 それでは、質疑をお願いをいたします。岡部委員。 〔岡部委員〕 8割基準なのですけれども、国の補助が2分の1、それから、地方が4分の1ですか、その残りについての8割ということで、これはおんぶに抱っこどころか、おんぶに抱っこに肩車というぐらいのところまで来ているのではないかと。 これは、こういう医療関係、あるいは社会福祉関係の公共性ということを考えても、やっぱりやや行き過ぎた基準になって、どうしてもモラルハザードを引き起しやすい。 現に、こういう事業を始める人たちの中に、そういう問題が出てきているということですので、これは、どういう基準に基づいて8割と決めているのかわかりませんけれども、できるだけ引下げるということの方が、かえって全体の活性化につながってくるのではないかと思います。 〔本間分科会長〕 ほかに、どなたか。どうぞ、佐藤さん。 〔佐藤臨時委員〕 やはり、サービスが適切に行われているかどうかというのは重要だと思うのですが、その適切なサービスについて、総合的な審査を行うことによりということがありますが、この審査の結果、例えば融資をしない、あるいは打ち切る、問題があるといったようなケースが、果たしてどの程度あるのか。つまり、この総合的な審査は十分に機能しているのかどうかということについて説明をいただきたいと思います。 〔本間分科会長〕 もうお一方、どなたかご質問ありますか。冨田委員、どうぞ。 〔冨田臨時委員〕 基本的に、融資業務というか、金融業務を行っている機関なわけですので、不良債権と申しますか、リスク管理債権の状態と、それから、その引当て状況についてご説明いただきたいと思います。 〔本間分科会長〕 それでは、時間の関係で、まだあるかと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。 〔河村・厚生労働省社会・援護局長〕 1つは、補助金を大量につぎ込んで、なおかつ融資をしてという話でございますが、医療と福祉では、やはり全然違うわけで、医療につきましては、政策誘導を図る手段というのは政策融資、補助金もごくわずかにございますけれども、ほとんど補助金というものは見るべきものはない、事業規模に対しましてですね。 医療施設近代化資金とか、そういった意味での補助金の融資というのはありますけれども、基本的には、やはり政策融資で政策誘導を果たしていくというのが状況でございます。 やはり、医療制度改革、あるいは診療報酬のマイナス改定という中で、経営環境が厳しくなってきておる中で、効率的な医療提供体制の構築ということで、 @に書いておりますような、こういった療養病床、あるいは老人保健施設、あるいは近代化整備、あるいはIT化推進というのには、私ども、どうしても必要なものだと思っておるわけでございます。 それから、福祉の分野については、これはむしろ、本当にモラルハザードなり、あるいは良質なサービスがきちんと提供されるのかどうかというのは、むしろ、2番目の問題でございますけれども、それに関連しましては、もう繰り返しになりますからやめますが、一昨年の制度改正によりまして、相当ガラス張りにもし、苦情解決の仕組みも2段階に分けて入れる。県には、運営適正化委員会というものをきちっと設ける。 そういうもろもろの措置を講じておるわけでございまして、それから、総合審査についてのお尋ねがございましたけれども、これについては、それによって融資を取下げを行ったというのがどれくらいか、今ちょっと数は把握しておりませんが、それほど多くはない。ただ、この審査の過程で、もっときちんと詰め直して持ってきなさいということで、むしろ、期間をかけてじっくりいろいろ指導をしておるというのが実情ではないかと思っておるところでございます。 それから、リスク管理債権という話でございますけれども、1つは、事業団融資の延滞債権の比率というのは、全体の0.8%。それから、リスク管理債権比率というものが1.49%ということでございまして、実際の貸倒引当というのも1%以内にとどまっておるというのが現実の姿だと思っております。 〔本間分科会長〕 よろしゅうございますか、今のお答えで。 〔冨田臨時委員〕 すみません、今のリスク管理債権ですけれども、結局、将来にわたって国の補助金とか、そういうものが継続されるという前提の数字なのですか。その延滞債権は別にしてですね。つまり、前提として、いつまでも国から補助金が出続けるということでつくられた数字なのですか。 〔河村・厚生労働省社会・援護局長〕 これは、通常の貸付先別に、いわゆる金融庁のモデルに沿って、こういう3カ月以上の延滞しておる先の中で、どういうジャンル分けをして、それによってやっているということでございますけれども、恐らく福祉施設につきましては、将来とも公費は導入されるという前提で物事を立てておるのではないかと思っております。 〔本間分科会長〕 時間が押しておりますので、まだ本当はいろいろ突っ込んで議論したい部分がございますけれども、今日のヒアリングは、一応これでということで、ご足労いただきましてありがとうございました。 〔河村・厚生労働省社会・援護局長〕 よろしくお願いいたします。 (出席者) 分科会長 本 間 正 明 寺澤理財局長 委 員 池 尾 和 人 内村理財局次長 岡 部 直 明 森本総務課長 木 村 陽 子 田中財政投融資総括課長 竹 内 佐和子 三村国債課長 村 田 泰 夫 八田計画官 吉 野 直 行 百嶋計画官 臨時委員 今 松 英 悦 野沢管理課長 佐 藤 三千男 福田財政投融資企画官 冨 田 俊 基 亀水資金企画室長 山 香 芳 隆 藤本財政投融資調査官 若 杉 敬 明 齋藤企画調整室長 田中総務省郵政企画管理局貯金経営計画課長 松本総務省郵政企画管理局運用計画室長 平成22年4月26日現在 <委員> 池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授 江川 雅子 国立大学法人東京大学理事 竹内 佐和子 国立大学法人京都大学工学研究科客員教授 土居 丈朗 慶応義塾大学経済学部教授 ○ 富田 俊基 中央大学法学部教授 ◎ 吉野 直行 慶應義塾大学経済学部教授 <臨時委員> 今松 英悦 前(株)毎日新聞社論説室論説委員 ・津田塾大学学芸学部非常勤講師 木村 陽子 (財)自治体国際化協会理事長 林田 晃雄 (株)読売新聞東京本社論説委員 若杉 敬明 東京経済大学経営学部教授 <専門委員> 川村 雄介 (株)大和総研専務理事 ・国立大学法人一橋大学大学院客員教授 冨山 和彦 (株)経営共創基盤代表取締役CEO 松田 修一 早稲田大学大学院商学研究科教授 (注) ◎は分科会長、○は分科会長代理 |