TOP



日本共産党に 評価していただきました・・・(日本共産党新城市議団 白井倫啓議員)

☆長氏の「全国の公立病院が改革プラン作りを始めているが、ほとんどうまくいかないだろう。多くの自治体の改革プランは、職員が作っている。やる気のない市長・議会での改革は無理」という指摘ももっともで、改革プランづくりに議会の関わり方も重要となっています。実行性のない改革プランとならないような具体的な取組を議会が先頭になるしかないと思った研修となりました。

☆堂故市長の「逃げない、ぶれない、うそつかない」という決意に満ちた取組は、感動的な取組で、必至に地域医療を守ろうとする行政のトップとしての素晴らしさを感じました。

日本共産党市議団の研修報告 (19年5月26日)


上記の内容のセミナーは こちらです。
セミナーを開催します

◇研修年月日 19年5月26日
◇研修内容 「公的病院改革のあり方」セミナー
◇主催 東日本税理士法人グループ・(株)医療シス研
◇場所 日本青年館ホテル(東京都)
◇参加者 白井倫啓
◇視察費用 2万7000円
    <内訳> 参加費1万円 交通費1万7000円(新城駅←→東京都内)




1.研修報告


<スケジュール>
 14:00〜  シンポジウム開演・あいさつ
         社団法人全国自治体病院協議会 副会長
         兵庫県 赤穂市民病院  院長     邊見 公雄 氏
 14:20〜  第1部講演
         「自治体病院への挑戦と展望……会長職8年の検証」
         社団法人全国自治体病院協議会 会長  小山田 恵氏
 16:00〜  第2部講演
         「氷見市民病院事例報告」
         富山県氷見市 市長          堂故 茂氏
 17:10〜  あいさつ
         総務省公立病院改革懇談会  座長   長  隆氏
 17:25   シンポジウム閉演

<シンポジウム開演・挨拶>
 人こそ日本の資源。地方病院は地域の基幹産業と思っている。医療崩壊は、医療費の分配の間違い。内科・診療所の視点で進められてきた。赤穂市民病院も厳しい経営となっている。医師が減り、看護師も楽な職場に移動し、薬剤師も不足している。しかし、病院が好きな人が5人いれば大丈夫と思っている。良い医療が第1、効率は第2、地域住民とともにが第3。赤穂市民病院は180人のボランティアで支えられている。地域の病院が生き残る道はある。いい医療機関といい学校がある地域は滅びない。医療機関には3つの船、@開設者とのパートナーシップ、A職能を果たす、B住民とのフレンドリーシップが必要。

<第1部講演>
◆自治体病院は住民のもの
 自治体病院は@地域住民のもの、A不採算部門には一般会計からの繰り入れを行うと共に健全会計に努めるべき。自分が会長を務めた8年間に、自治体病院は1003から973に減り、赤字病院は増え続け、18年度には全体の約75%にもなっている。60%くらいの首長が年に一度も病院に行っていない。赤字の責任は誰もとらないという体質が問題。責任を明確にするために、全部適用(病院が市長から独立し、独自の経営方針に立脚)が進められてきた。岡山市民病院は、10億円の一般会計繰り入れをしていたが、全部適用と外部からの登用で、5600万円の利益を出すほどに改革が進んだ。開設者(市長)と管理者(病院長)の権利が明確化され、打合せが密なところは上手くいっている。地域で必要な医療をどのように守るかという視点が大切。「公設公営」でうまくいっていないところは、給与が高いところが多い。公設民営化された横浜市立港湾病院は、市長選で「35億円の費用を13億円に縮小する」と公約した候補が当選し、実際に民間に経営移管されたが、計画どおりの黒字経営にはなっていない。「公設公営の努力がなぜできなかったのか?」との思いがある病院だ。
 医師不足は、生活・文化の崩壊につながる。医師不足検討委員会で「医師不足」の声を挙げてきたが、歴代大臣は「医師は足りている。勤務医の労働強化もない」と言い続けてきた。何度言っても聞き入れず、この状況となってしまったことに悔しい思いはあるが、少しづつ変化はしてきた。今、大学の医師定員を増やしても成果は10年後。すぐにできることは、過酷な労働条件の改善。
 研修医の気持ちは、開設者の地域医療に対する思い入れで動く。岩手県の熱意に多くの研修医が応えた。今後の地域医療再生の可能性は、開設者・管理者(全ての医師の合意)・住民の合意にある。住民自身が地域医療を守ろうという動きが出てきた。研修医を育てようというNPOも出てきた。

<第2部講演>
◆改革を決意して苦労の連続
 公設民営の成功と言われているが、課題もたくさんあり成功とは思っていない。市民病院は昭和36年開設、360病床の病院で、経営の悪化・一般会計からの負担の限界になり、公設民営での議論が進んだ。平成4年には全適となったが、経営改善に結びつかなかった。最終的に累積赤字31億円、不良債権の発生などにより、「公設民営」の結論を持った。経営悪化時の病院は、医師は医局を見て、医療職員は組合を見て、本庁職員は市長を見るというように1つの方向に向いていなかった。
 医療費抑制、医療制度改革が行われ、小泉内閣の三位一体改革も市財政の悪化に拍車をかけ、聖域のない議論をせざるをえない状況となった。病院経営改革委員会(長 隆委員長)を立ち上げ、市民公開で議論を進めた。議論経過の中では、「廃止」の意見も出たが、@廃止のためにも相当なコストが必要、A職員は知的財産、市民病院は市内最大の消費を行う企業、B医療・福祉はまちづくりそのもの、という観点に立ち、「公設民営」の結論をもった。「公設民営」発表後、組合の徹底的な反対もあったが、市民公開でていねいな説明に努め、公設民営を貫き通し、議会の賛成多数で指定管理者を募集することになった。金沢大学・富山大学の理解を得て、指定管理者としての金沢医科大学の決定をしたが、看護師の反対が続き、最後の最後まで、市民病院の看護師の移動がもめた。結果的には9割の看護師が移動してくれた。市長の決意(逃げない、ぶれない、うそつかない)の姿勢を支持してくれた。常勤医師36名でスタートできた。公設民営がベストだとは思っていないが、氷見市民病院を守るためには、公設民営するしかなかった。

<あいさつ 長 隆氏>
 政府の医師不足(12万人)攻撃の失敗を自治体病院が担っている。自治体病院は多くが困難に直面しているが、「公設公営」で頑張っている病院もある。一般的に公立病院は私立病院に比べて、100床規模において2億円余の経費が多い。税負担は必要だが、責任ある対応病院との差はつけるべき。経費削減だけでなく、前向きな投資は行うべき。
 人件費比率は、民間は50%以下。改革プランで改革される分野ではあるが、3年間の改革ではあまり改善は期待できない。財政健全化法により第2の夕張が多数出ると考えている。今後、経営形態は、独立行政法人・非公務員型が増えてくるだろう。また、「選択と集中」により、切り捨てられる部分が出てくる。名古屋大学は、関連病院を集めて「選択と集中」を徹底するとの方向を示している。あいまいな対策では、高浜市の民間移譲、津島・新城市民病院のように豪華な作って経営破綻のような病院が続く。
 全国の公立病院が改革プラン作りを始めているが、ほとんどうまくいかないだろう。多くの自治体の改革プランは、職員が作っている。やる気のない市長・議会での改革は無理。変化も生まれている。沖縄の浦添市では、ふるさと納税制度の活用で、ドクターヘリを導入した。鹿児島県鹿屋医療センターでは、外来をやめ入院に特化し、勤務医の過重労働を緩和させながら、収益改善を進めている。


2.所感


 研修で配られた資料に、横浜市立港湾病院(平成17年4月に公募により横浜赤十字病院が指定管理者になり、横浜みなと赤十字病院として発足)、 京都府国保新大江病院【公設民営化。公設民営化により、職員が非公務員となり給与改定が行われ、給与比率が大幅(16年度、約72%→17年度、約51%)に下がり、黒字に転換。医業収益(16年度、約6億2千万円→17年度、約6億8千万円)、病床利用率(16年度、約79%→17年度、約88%)も向上】、 愛知県高浜市立病院(18年度には、医師の引き上げが続き4人まで落ち込み、同年、改革委員会は「公設民営」を答申。院長以下全ての医師に留任の意志はなく、その後、民間移譲が正式に決定)、 夕張市総合病院(19年4月により公設民営、医師3名でスタート)、高知医療センター【17年3月、医療本体を除く建物、材料、経理全てをオリックスグループに一括委託(PFI方式)。30年間契約金額2131億円。18年度赤字が22億円となり、19年12月、県・市議会が経営改善決議、20年1月には、契約を含む改革をオリックスグループに求めているようです。「PFIはダメだ」が議会の声となりましたが、オリックス担当者は契約1年後に辞職】などの各地の取組が紹介されていましたが、「公設民営」すればうまくいくわけでもないことがわかります。各講演者の話を聞き、大切なのは、「地域の病院」を守ることは、地域の資源を守ること、生活・文化を守ること、医療・福祉はまちづくりそのものという視点を、市民、行政がしっかり持つことだと再認識しました。また、「公設公営」が悪いのではなく、市民、行政、病院がそれぞれの責任を果たすための努力をすることができるかどうかが、経営健全化の要だとの認識を強く持ちました。小山田氏の「早くから医師不足改善を求めてもきたが、国の姿勢は変わらなかった」とのことばにあるように、国は現場を理解できません。また、失政を簡単には認めません。私たちは、現場で必要な医療充実の実践をしなければなりません。
 堂故市長の「逃げない、ぶれない、うそつかない」という決意に満ちた取組は、感動的な取組で、必至に地域医療を守ろうとする行政のトップとしての素晴らしさを感じました。
 小山田氏の「研修医の気持ちは、開設者の地域医療に対する思い入れで動く。岩手県の熱意に多くの研修医が応えた。今後の地域医療再生の可能性は、開設者・管理者(全ての医師の合意)・住民の合意にある。住民自身が地域医療を守ろうという動きが出てきた。研修医を育てようというNPOも出てきた」という指摘は、新城市においてもすぐ実践できることです。医師がいないことを嘆くだけでなく、できることは何でもやろうという姿勢がますます重要となっているようです。
 長氏の「全国の公立病院が改革プラン作りを始めているが、ほとんどうまくいかないだろう。多くの自治体の改革プランは、職員が作っている。やる気のない市長・議会での改革は無理」という指摘ももっともで、改革プランづくりに議会の関わり方も重要となっています。実行性のない改革プランとならないような具体的な取組を議会が先頭になるしかないと思った研修となりました。